【tubu.4】急に見えなくなった!?【解答編】
4.急に見えなくなった!?~解答編~
( @∀@)
みなさんこんにちは。Dr.かづきちです。
前回、問題編を投稿しましたが、今回はその解答編です!
あの病気とはいったい?そして彼女はどうなったのか…!?
その答えを見ていきましょう…!!
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病気の答えとは?
この病気のキーワードは「両目での視野欠損」「歯車状の視野欠損」「片方だけのずきんずきんとする痛み」「光が眩しい」です。
これらのワードが特徴的な病気があります。
それは「片頭痛」です!
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どんな病気?
片頭痛は主に片側だけにズキズキする頭痛のことです。ちなみにこの「ずきんずきんする痛み」のことを拍動性頭痛と呼ぶこともあります。一般的によく見る「偏」頭痛は医学用語ではなく、医学用語では「片」頭痛が正しいです。
片頭痛では、頭痛が現れる前にいろいろな症状が出ることがあります。これを前兆と呼びます。
例えば、今回のように、視野の中心から始まりキラキラと光って見えることがあり、これを閃輝暗点(せんきあんてん)と呼びます。光がまぶしく感じたのも前兆のひとつです。
この他にも、気分が悪くなったり、音に敏感になったりといった症状が現れます。(悪心、光過敏、音過敏)
症状がひどいと、動けなくなり、暗い静かな布団の中で伏せってしまいます。
場合によっては学校や仕事に行けないことも…。
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この病気の原因は何なの?
片頭痛の原因はわかっているのでしょうか?
実は、原因ははっきりとはわかっていないのです。おそらく、神経同士の連絡役である神経伝達物質が関与しているであろう考えられていますが詳しいことは明らかになっていません。
ただ、片頭痛はストレスや不規則な生活が引き金になることが多いです。
そのため、片頭痛を予防するため規則的な生活を送ることが大切です。心がけだけで、予防できるのでオススメの方法です!
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片頭痛が急に起きたら???
片頭痛の急な頭痛発作には、薬を使います!
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やトリプタン製剤など、いくつかの薬があります。それらの薬を組み合わせて片頭痛の急な痛みに対応します。
ちなみに、彼女が選んだ薬は生理痛の薬として普段から使っていた非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)でした!
それでもなかなか、片頭痛が良くならなかったり、片頭痛の回数が増加してしまうときは、予防薬を使うこともあります。
そこはお医者さんと相談して決めたいですね。
ちなみに、今回の実体験を教えてくれた彼女はどうしているのでしょう?
彼女はあれから一度も片頭痛の発作はなく、穏やかにこの文章を書いていますよ。むふふ
★注意!:同様の症状でも自己判断は危険です!!
視野が消えるというのはとても怖い出来事です!
今回はたまたま前兆の症状だったので、後遺症はありませんでした。
しかし、彼女が最初に考えたように目の血管が詰まっていたり、網膜が破けていたりするかもしれません。脳の血管がつまること(脳梗塞)でも起こりえます。
いきなり真っ暗になった、しばらく続いている、目の痛みとともに見えなくなった、などあればすぐにお医者さんに行きましょう。
頭痛も、侮っては行けません。
片頭痛は鎮痛薬で対応できる時もありますが、もしかすると危険な頭痛が隠れているかもしれません。
例えば、かの有名なクモ膜下出血では、バッドで殴られたような急激な痛みがあると言われています。
もし頭痛がして、いつもと何かが違うと感じることがあれば、すぐにお医者さんに診てもらいましょう。
「問題ないですよ。」という一言をもらえるだけでも十分に価値があります。
自分や周りの人の健康・命を守るにはまず行動を。
次回→【tubu.5】安心、誠実、そして信頼~前編~【医師と患者】
参考URL
大正製薬 片頭痛について http://www.taisho.co.jp/naron/henzutsuu/
参考文献
ハリソン内科学 第5版 p2649〜p2655 メディカルサイエンスインターナショナル
福井次矢 黒川清 監訳
内科学 第10版 p2293〜p2294 朝倉書店