【tubu.10】うつ病治療の流れ【休息第一】
10.うつ病治療の流れ
前回→【tubu.9】実体験から見るうつ病【いつでもだれでも】
( @∀@)
みなさんこんにちは。Dr.かづきちです。
以前、「うつ病はエネルギーの低下で起こる」という話をしました。
エネルギーが低下し、うつ病になってしまうと、十分な休息が必要になります。
そのため、お薬での治療や心身を休める必要が出てきます。
今回は、うつ病の治療の流れについて簡単に紹介します。
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うつ病の治療は?
うつ病はエネルギー低下の病気です。
そう考えると治療の根本は、「エネルギーのチャージ」「最低限のエネルギー確保」「エネルギーを失わないための工夫」になります。
まず、「エネルギーのチャージ!」
これは休養です!仕事を減らす、もしくは休むなどして、エネルギーの回復を図りましょう。
「最低限のエネルギー確保」とはお薬を使った治療です。
前回お話しした通り、休むためには最低限のエネルギーが必要です。このためのエネルギーを得て、維持するためにお薬を使います。
これで、少し過ごしやすくなったり、眠りやすくなったりします。これで休養がより取りやすくなります。
「エネルギーを失わないための工夫」とは、自分の考え方と行動を変えることです。精神科の先生とお話ししたり、カウンセリングを受けたりすることで、自分の行動パターンを考え、新たな生き方を模索します。これは薬とは別の治療法の一つです。
例えば、元の仕事に戻っても、今までの仕事量よりも少し減らしたり、休みを多くしたりする必要がでます。言うなれば、やり過ぎないことが重要です。
真面目な人がうつ病になることが多いので、これはなかなか、時間のかかるむずかしい作業です。
なぜなら、自分の今までの考え方や行動パターンを変えるのですから…。
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休むことに抵抗がある???
休むことに抵抗がある方は多いのではないでしょうか?わたしもその一人でした。
「休むと同僚に仕事の負担が増える…」「仕事から逃げているだけのように感じる」と思い、とても抵抗がありました。現に、休み始めたら同僚から「お前が休んだせいで仕事が増えた」と言われました。
しかし、自分の心体は自分しか守れません。ここで休まなければ、仕事で大きなミスをしていたかもしれません。そう考えると早めに休み、早めに回復することがとても大切です。
医師免許を持っているはずの同僚ですらこのように心ないことをいうのですから、他の人が言うのも致し方ありませんよね…。
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精神科のお薬に抵抗がある???
精神科のお薬というと、文字からして「脳に影響がありそう」と思う方もいるかもしれません。また、性格が変わったり、薬に依存してしまうのではないかというかたもいるかもしれません。
しかし、適切に飲めば、そんなことは起こりません。
例えば睡眠薬ですが、たしかに中には依存性があるものもあります。自己判断で勝手に飲んだりすると危ないこともあります。しかし、処方された通りに決まった時間に決まった量飲めば、基本的に普段の生活には影響は大きく出ません。むしろ、よく眠れるようになるため、疲れが取れやすくなります。
このように精神科のお薬は、正しく使えば、エネルギー回復の一助を担ってくれます。
どの薬でもそうですが、自己判断で飲んだり飲まなかったりすることが危険です。もし、何か不安があるなら医師に相談しましょう。きっと安心してお薬を使うことができると思います。
以上、うつ病の治療の流れを簡単にお話ししましたがいかがだったでしょうか?
一番大事なことは、しっかりと休んでエネルギーを回復させること!
お薬や行動パターンを変えることも大事ですが、エネルギーを回復させることができるのは自分自身です。
まずはしっかり休んでください。
休んで申し訳ないと思うかもしれませんが、大切なのはあなた自身の健康ですよ。
参考URL
こころ耳 働くためのメンタルヘルス・ポータルサイト 厚生労働省
参考文献
ここが知りたい職場のメンタルヘルスケア〜精神医学の知識&精神医療との連携法〜 南山堂 日本産業精神保健学会編
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ここが知りたい職場のメンタルヘルスケア改訂2版 精神医学の知識&精神医療との連携法 [ 日本産業精神保健学会 ] 価格:4,860円 |