【tubu.15】子どもの「風邪薬・痛み止め」あなたはどう選ぶ?【解熱鎮痛薬の選び方】
15.子どもの「風邪薬・痛み止め」あなたはどう選ぶ?
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( @∀@)
みなさんこんにちは。Dr.かづきちです。
先日、知人が子どもを授かったという話を聞いて嬉しくなりました。子どもっていいですよね。
しかし子どもは急に熱を出したり、痛がることがあります。そういうときはなんでもいいから早く良くしてあげたいと思いますよね。
しかし、そこで慌ててはいけません!
いま、あなたが子どもに飲ませようとした薬、大丈夫ですか!?
今回は、子どもの風邪薬・痛み止め(解熱鎮痛薬)について考えます。
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子どもに使える解熱鎮痛薬は2つだけ!
普段一般に処方されている風邪薬・痛み止め(解熱鎮痛薬)ですが、子どもへの安全性が認められている解熱鎮痛薬は2つしかありません。他の解熱鎮痛薬は子どもに対して安全性の問題があることを知っておきましょう。
子どもに使っても大丈夫と安全性が認められているお薬はアセトアミノフェンとイブプロフェンの2つです。
○アセトアミノフェン 例:カロナール、エスタック総合感冒薬など
○イブプロフェン 例:イブプロフェン錠、ブルフェンなど
しかし、これらのお薬でも大人と同じ量を子どもに飲ませてはいけません!
注意書きや医師の処方にしたがって服用しましょう。
研修医のみなさんも処方の時にはくれぐれも注意してください。
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ドラッグストアで子ども用の解熱鎮痛薬を買うときのポイント
小児用と書かれているものを選ぶのがポイントです!例えば、小児用バファリン、小中学生用ノーシンピュアなどがあります。
しかし、ここで注意したいのが年齢です。子どもは年齢によって体格が大きく異なり、それに従い薬の量も年齢ごとに異なります。
購入する前に、「〜才以上」と書かれた注意書きを必ず確認しましょう!
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子どもへの使用を避けたいお薬
大人用の解熱鎮痛薬は、市販でたくさん販売されていますが、このうちのほとんどが子どもに飲ませるのはお勧めできません。
子どもへの安全性が認められていないお薬(添付文書に小児への使用制限が記載されているものの例)
- アスピリン 例:バファリンAなど
一般的に売られている解熱鎮痛薬ですが、インフルエンザの子供に飲ませると、Reye症候群やインフルエンザ脳症を起こす可能性があると言われています。そのため、15歳未満の子どもへ使用することは勧められません。
- インドメタシン 例:インテバンなど
この薬は子どもへの使用は原則禁忌です!
- ロキソプロフェンナトリウム 例:ロキソニンなど
ロキソニンとして、薬局でも売っている薬です。私も痛み止めで使うことがありますが、この薬は子どもへの安全性は確立していません。
他にも下記のお薬は子どもへの安全性は認められていません。
- ジクロフェナクナトリウム 例:ボルタレンなど
- スルピリン 例:メチロンなど
- メフェナム酸 例:ポンタールなど
- フラノプロフェン 例:ニフラン
これらのお薬は、普段私たちが何気無く使っているものです。「自分が飲んで大丈夫なら、子どもにも大丈夫だろう」という安易な考えで飲ませるのは危険です!
お子さんが熱を出したり、痛がってたりするときに焦る気持ちはわかります。しかし、一呼吸おいて飲ませて大丈夫な薬・量か確認してみましょう。その一呼吸がお子さんの安全を守るかもしれません!
そんなとき、もしよければこのつぶやきを思い出していただけると嬉しいです。
参考文献
病棟の困ったを解決!マイナートラブル対処法 メジカルビュー社 後藤英司 監修
小児科の勉強用本
帰してはいけない小児外来患者 医学書院 崎山 弘 本田雅敬 編集