【tubu.30】コンビニなどで見かける「医療っぽい」本を読んでみた【内容は真実?】

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30.コンビニなどで見かける「医療っぽい」本を読んでみた

 




( @∀@)

みなさんこんにちは。Dr.かづきちです。

 

最近、コンビニや書店で、「医者が飲まない薬」「医者が受けない治療法」など「医療っぽいこと」について書いている本を見かけます。

監修しているのは医師が多いですが、題名だけ見るとどうも胡散臭く感じてしまうので、昔からあまり読まないようにしてきました。

しかし、読んでみないと真実はわかりません。

 

そこで、試しに一冊買ってみました!

 

今回は、その感想を書きたいと思います。




ちなみに私が買った本はこれ↓

医者が飲まない薬、受けない手術

 

  1. 内容は意外としっかり書かれている

    全体に目を通すと、割としっかり書かれていると思います。薬を使用するときの注意点や、副作用も細かく書かれています。論文のデータや、学会などの見解、ガイドラインもうまく使っています。

    全般的に、他の医師からも突っ込みにくい内容だなと思います。

    「抗生物質は万能薬ではない」など、患者さんに知っておいて欲しいなという内容も書かれてありました。

     

    また、生活習慣を改善することで、薬に頼りすぎないようにしようと書かれているのも好感が持てました。

    しかし、この本を読むときには注意が必要です。

     

  2. 全ての医師の意見ではない!

    この本を読むときに注意したいのが、一項目に対して一医師、もしくは少数の医師にしか話を聞いていないということです。

    必ずしも、全ての医師が、この本と同じ考えということではありません!

    また、話を聞いた医師によっては「言い過ぎでしょ」と思う内容も見受けられます。

     

    本の題名を見ると、一見全ての医者が飲まない薬、受けない治療」と見えてしまいがちですが、実際はとある医者が飲まない薬、受けない治療」と考えるのが良さそうです。

     

  3. 副作用だけに目が行きやすい書き方

    大文字の部分は、大半がお薬に否定的な書き方です。

    薬のメリットについても書かれてはいるのですが、小さな字で細かい…よく読まないと目に入らないようになっています。

     

    薬のメリットに対してデメリットを誇大に書きすぎているように見受けられます。

    きちんとした医療知識があれば別ですが、一般の方が読むと薬のデメリットしか伝わらないのではないかと感じてしまう書き方です。

    この本を読むときは、デメリットが誇大に書かれているかもしれないと念頭に置いた上で読むことをお勧めします。

    薬のメリットデメリット両方を意識して読むことが大切です。




  4. 手術のオススメ度合いはガイドラインに従って書いてある

    手術が勧められるか否かについては、学会が出している治療指針やガイドラインに基づき書かれていました。

    ガイドラインには、論文のデータの質によって、手術の必要度合いが書かれています。

    それによって手術のオススメ度が変わってきます。

     

    手術に関する記事は、ガイドラインに沿って書いてあるだけで、医者からしてみればそうだよねとしか言いようがない内容でした。

     

  5. 実際に自分が受けた治療法の記事を読んでみた

    私は、PTSDうつ病で、SSRIという種類の薬を飲んでいます。

    この薬に関する記事もありました。題名は

     

    「SSRIも効果は“小麦粉”と大差なし!?」

     

    まぁ、キャッチーなタイトルだこと。流石にこの題名を見たとき、イラっときました。

    確かに論文によっては、軽症〜中等度のうつ病でSSRIの効果がはっきりとしないと指摘しているものもあります。

     

    私は、SSRIに救われた身です。「こんな題名書いたら、飲み始めの人が不安になるだけでは?」と強く思います。

     

    また、記事には「うつ病の薬を飲む前に、生活習慣を立て直しましょう。睡眠不足の改善、運動不足の解消、飲酒をやめる」と書いてあります。これにも異論があります。そもそも、自力で睡眠不足を解消できるなら、それはうつ病かどうか疑わしいです。

     

    以前にもお話ししました(tubu.7参照)が、うつ病生きるエネルギーが低下する病気です。自分で生きるエネルギーが低下しているので、生活習慣全般を自力で改善できたら、それは本当にうつ病なのか疑ってしまいます。

    私は、実際、自力で睡眠の改善をしようと思っても体が動かなかったです。また、うつ病でSSRIを飲んでとても楽になりました。

    (実は、この記事には、重症のうつ病ではSSRIの効果が認められていると小さい字で書かれていますよ!)

     

    そもそも、うつ病のお薬としてのSSRI「うつ病は元気がでないから、うつ病の薬を飲んで元気になろう」というものではありません。SSRIを飲むと元気ハツラツになるのではなく、頭がぼーっとして無駄なエネルギーを使わなくなります。無駄なエネルギーを使わないので、ゆったりと休息を取ることができるようになります。SSRIはエネルギーを取り戻すためのお手伝いをしてくれるのです。

     

    でも、そんなことは記事には書かれていません。

     

    このように、「しっかり書かれてあるな」と納得できる記事から、私がイラッときてしまう記事までピンキリです。

     

  6. 結局は「他人事」

    この本で、もう一つ気になったのは睡眠薬です。

    私は、うつ病の初期は眠るエネルギーがなく、睡眠薬にお手伝いしてもらっていました。

    睡眠薬のおかげで眠りにつくことができて、とても楽になりました。

     

    しかし、この記事の中で睡眠薬の良い効果ほんの行だけ…。ほとんどが副作用の話でした。

     

    確かに、安易に睡眠薬を処方するのは良いことではありませんし、生活習慣の改善で眠れるようになることもあります。また、睡眠薬には依存性があるものや、飲み続けていると効きにくくなるものがあります。

    そして、患者の生活状況を顧みずに、睡眠薬を安易に出す医師は良医とは言えません。

    もちろんこれらは事実です。

     

    でも、きちんと睡眠薬の効果を書いて欲しい!

    これじゃ、睡眠薬に救われた人がいるということが世間に伝わらないじゃないか!!!

     

    結局は、この記事を書いている記者も医師もどちらも薬を飲んだことないのでしょう。

    この薬に救われたら、こんな記事にはならないと思います。

     

    もしかすると、病気と無縁な医師や記者からしてみれば「病気や薬は他人事」だから、書ける記事なのかもしれません。

     

    もちろん私は、SSRI・睡眠薬に助けられた反面、副作用で苦しんだこともあります。

    でも、本当に薬に助けられました

     

    だからこそ、薬のメリットもデメリットもきちんと書いた記事を書いて欲しい!

    そして、自分はメリットデメリットもわかる記事を書きたいと思います!

     


以上、「医者が飲まない薬、受けない手術」という本の感想でした。

お手頃価格なので、気になる方は買ってもいいと思います。特に医療関係者なら一度どんなものか読んでみるのもアリでしょう。

もし、一般の方が読むのなら、デメリットに目が行き過ぎないように注意してください。メリットもきちんと読んでもらえれば嬉しいです。

 

まとめ

・明らかに間違った内容は書かれていない

・納得できる記事から、言い過ぎの記事までピンキリ

・薬のメリットよりもデメリットがやたら目立つ記事になっているので読むときは注意

・参考になることもあるが、全てを鵜呑みにするのは危険!

 

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