【だい12わ】こふみさんの探しもの【病気とのつきあいかた】
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だい12わ:病気とのつきあいかた
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こんにちは、こふみです。
今日も、私の探しものに、おつきあいいただきありがとうございます。
それでは、病気とのつきあい方を、一緒に考えてみましょう。
病気とつきあう?と言われ、違和感を覚える人がいるかもしれません。
私が急性虫垂炎の手術を受けたころは、病気に立ち向かう、病気と闘う、いわゆる「闘病」という言葉が流行っていました。
B型肝炎という病気と、一生戦わなくてはならないのか…。気持ちは沈むばかりでした。
そんなとき出会ったのが、病気と「つきあう」という言葉です。
高島 博さんという医師が書いた「柔らかい脳・硬い脳」という本に、このようなことが書いてありました。
「完全に治すことができない病気の場合は、病気と闘おうとすると力尽きる。
一生病気とつきあっていくという方が適しているのではないか」
病気と闘わず、病気とつきあっていく。
これなら、私にも何とかできるかも。ずいぶん気が楽になりました。
私は、現在、B型肝炎ウィルス持続感染(いわゆるキャリア)の状態です。
日常生活で気をつけていることは、輸血や献血をしないこと。自分の血液が付く可能性のあるものは、他の人がさわらないように気をつけることなどです。
それ以外は、概ね、普通?の生活です。
ただ、お酒は飲みません。
もともと、ほとんどお酒が飲めないタイプだったこともあり、肝臓に負担をかけない生活を選択。
また、年に1回は、肝臓の専門病院で、血液検査(肝炎ウィルスが増えていないか、肝機能が悪化していないか)。
さらに、超音波検査(肝臓の腫瘤や肝硬変の有無などを調べる)を受けています。
病気つきあっていくうえで、他に気をつけていることが、いくつかあります。
それは、悪化のサインと、疲れすぎないことと、病気を持っていても自分なりの健康を保つことです。
悪化のサイン
肝臓は、沈黙の臓器とも言われ、悪くなってもなかなか症状が出ません。
私は、肝機能がよくない時は、夕方になると、カラダとても重くなります。
ひとことで言えば、倦怠感。
地の底から何かが伸びてきて、カラダが地面の下に引っ張っていかれるような感じ。重力を感じているのでしょうか?
夕方は、疲れがたまり、夕食前で、エネルギー切れだから?
夕方のカラダの重さは、疲れすぎのサイン。これが出たら、これ以上無理をしないようにしています。
疲れすぎない仕事
私は、医師免許を取って数年間、病院で働きました。
働き甲斐がのある仕事で、患者さんやご家族、看護師さんたちにも、本当によくしてもらい、しあわせでした。
ただ、問題がひとつ。
昔、栄養ドリンクのコマーシャルで、「24時間働けますか?」というフレーズがありました。まさにその状態です。
一番時間外勤務が少ない時で、月135時間。毎月100時間を越える過重過労、200時間越えはザラです。
休日出勤は当たり前、患者さんの状態が悪くて2週間近く、ほぼ徹夜状態のこともありました。
夜勤で一晩中仕事でも、次の日の休みはありません。
あまりの激務のため、20代?の先輩医師が病気になり、休むことになりました。
その分負担が増え、私も、過労のため肝機能が悪化し、入院。
それもあり、予定より少し早かったのですが、疲れすぎない今の仕事に変わりました。
それから、20年以上。
健康(病気)と、生活と仕事のバランス、つまりライフ・ワーク・ヘルスバランス(ライフ・ワークバランスにヘルスを足した造語)を保ちつつ働いています。
時に、仕事が立て込んで忙しいこともありますが、疲れすぎないようにすること、疲労回復のために、睡眠時間を最低6時間は確保するように努めています。
自分なりの健康
一生つきあう慢性の病気があれば、二度と健康にはなれないのでしょうか?
私は、たとえ慢性の病気や障害があっても、その時々で、その人なりの健康というものがあると考えています。
例えば、次のような状態であれば、自分なりに健康なのかと思っています。
1 お腹がすいたとき、バランスのよいものを、腹八分目食べられる。おいしいと感じられる。
2 できる範囲でカラダを動かせる。
3 最低6時間は、眠ることができる。ぐっすり眠ったと思える。
4 時にイラッとすることはあっても、心おだやかに過ごせる時間がある。
5 自分が誰かの役に立っていると思える。
6 ありがとうと言える。
年をとると、できないことも増えてきますし、病気も増えてきます。
それでも、できることをして、自分なりの健康を保っていく。
一生つきあう病気があるからこそ、自分なりの健康が大切に思えるし、無理をしないのかもしれません。
そういえば、「一病息災」という言葉もらありますね。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
あなたにも、私にも、心おだやかに過ごせる時間が増えますように。
では、次回も私の探しものにおつきあいいただけると、ありがたいです。
【参考】
柔らかい脳・硬い脳
高島 博 祥伝社 1985年