【diary10】Dr.かづきちの闘病日誌【最初の造影CT】

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前回→ただ信じるのみ




10.最初の造影CT

前回、血尿が出てカテーテルを入れ、主治医から出血が止まらなかったら造影CTと言われました。

さて、血尿はどうなったのでしょう。




次第に尿に混じる血の色は薄くなってきました。

出血も止まってきたのだろうかと、少し安心しました。

 

しかし…

どうも、変です。

 

尿カテの方向を少し変えると、薄かったはずの血尿がまた濃い血尿に戻ります。

夜9時になっても、薄くなったり濃くなったりを繰り返していました。

 

少しずつ、焦りが出ます。

このまま出血が止まらずに、朝を迎えるのか…。それは危険かもしれない。

 

すると主治医が言いました。

「深夜0時になっても、この血尿が見られるようならば、造影CTをします。」

 

そして、深夜0時。血尿は変わりませんでした。薄くはなっているものの、時折、濃い血尿が出ます。

 

私は造影CTを覚悟しました。

 

実は母の知り合いが、造影CTの際に、造影剤に対してアレルギー反応を起こし、亡くなっているのです。

また、うちの家族はアレルギー体質です。

いつ、アレルギー反応が起きてもおかしくありません。

もちろん、そのアレルギーへの対症療法はありますが、弱っている今、私に何が起きても不思議ではありません。

 

だから、私にとって造影CTはある意味、死を覚悟する出来事でした。

医師の方々から見れば、大げさと思うかもしれませんが、ここまでも予想外の出来事が続くと、どうしても楽観視はできなくなります。不安で不安でたまりませんでした。

 

 

当直医が、主治医の依頼で、私のところにやってきました。

 

当直医は薄暗い病室の中で白い紙を出しました。

「今から造影CTです。同意書にサインを」

 

私は、サインしました。そしてこれから起こりうることを覚悟しました。

 

母は家からタクシーを飛ばして向かってくれていましたが、造影CTには間に合いませんでした。

かわりに、横にはくましゃんがいてくれました。

心細かったので、誰かがそばにいてくれるだけで本当にありがたかったです。

 

そして、私のベッドはガタガタとCT室へ動き出します。

夜の薄暗い廊下を移動し、エレベーターに乗り、明るいCT室へ。

とても、とても長い時間だったかのように思われます。

 

気がつくとCTの台に乗せられていました。右手の点滴は繋ぎ変えられ、造影剤の注射器が繋がれています。

 

CT台の上の私は、思ったより私は落ち着いていました。

 

検査技師さんの合図で、CT撮影が始まりました。

造影剤が、体に入ります。

 

造影剤が体に入ると、しばらくして喉が熱くなり、その熱い感覚が首、胸、腹部、腰へと降りて行きました。

あの感覚は、今でも忘れません。

 

自分が患者さんに勧めていた検査が、こんなにもドキドキするものだということを初めて知りました。

もう安易に検査を勧められないなと反省しました。

 

気がつくと、CT撮影は終了していました。

 

病室に帰るベッドの上で、私は「無事終わって本当に良かった…」と安堵しました。

 

さぁ、1回目の造影CTが終わりました。このあとどうなるのでしょう…。CTの結果はいかに???

 

次回→安堵、そして違和感




 

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