【だい16わ】こふみさんの探しもの【「よくないこと」の意味】
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だい16わ:「よくないこと」の意味
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こんにちは、こふみです。
今日も、私の探しものに、おつきあいいただき、ありがとうございます。
それでは、「よくないこと」とのつきあい方について、考えてみましょう。
ストレス反応
「よくないこと」が、起こると大なり小なり、ストレスを感じます。
ストレスを感じて、落ち込んだり、怒ったり、悲しくなったり。食事が取れなくなったり、眠れなくなったり。
目の前が真っ暗になって、この先どうしていいかわからなくなることも。
いろいろなストレス反応が出ます。
ストレス反応がひどくなると、生活や仕事に支障が出て困ったことになります。
ストレスへの対処方法として、ストレスコーピングと言われるものがあります。
ストレスコーピング
職員の方に紹介しているストレスコーピングには、いろいろな種類があります。
例えば、ストレスになっている問題解決のため、情報を収集したり、期間を決めて、小さな目標を立て、それを少しずつクリアするとか。
誰かに相談する。協力や支援を依頼する。
今は仕方がないと諦める。
なんとかなるさとひらき直る。
つらいことが過ぎさるまで動かない。
事態が好転するタイミングを待つ。
気晴らしをする。
しばらくその問題から離れるなど。
ストレスコーピングの話をする時、私は、仏像に千手観音像(せんじゅかんのんぞう)という、たくさんの手を持った観音さまの像を例えに出します。
ストレスコーピングの方法が「手」だとすると、今日はこの手、だめならあの手、それでもだめなら別の手。
いろいろな手を、その時の状況にあわせて使う感じです。
私が一番よくおススメするストレスコーピングは、「ものの見方や考え方を変える」です。
ものの見方、考え方
精神科医の神谷美恵子先生は、その著書生きがいについて (神谷美恵子コレクション)のなかで、「もののみかたが変わったら、もののみえかたも変わる」と述べておられます。
「よくないこと」の見方や、考え方を変える方法も、いろいろあります。
例えば、「よくないこと」は、これまで起こったことに較べたら、たいしたことではないと考える。
「よくないこと」が起こっても、命の危険にさらされることと較べたら、それほどひどいことではないと考える。
「よくないこと」は、自分が成長するために与えられたチャンス。これまでのやり方とは別の方法や、選択肢を探す機会だと考える。
「よくないこと」は、いつか自分の役に立つと考える。
「よくないこと」を、今はいったん受け流す。心の中のタンスにしまっておくなどです。
「よくないこと」の意味づけ
私は、「よくないこと」は、自分のこれからの人生で、きっと役に立つ日が来ると思うようにしています。
きっかけは、私が、急性虫垂炎の手術の時に、B型肝炎のキャリア(持続感染)だとわかったエピソードと関係があります。
手術後に入院していた時、毎日、体温測定(検温)がありました。
看護師さんが、私の体温計だけ消毒薬の入ったコップに入れてきます。
他の患者さんの体温計は、トレイ(金属製の四角いお盆)の中です。
看護師さんは、消毒薬の入ったコップから体温計を出し、「あなたは、アレなんだから、わかってるでしょう」と言って私に渡しました。
計り終わった体温計を、消毒薬のコップに入れ、看護師さんは、部屋を出ていきました。
B型肝炎だから、体温計を消毒薬につける?
あまりのショックに、落ち込んでいると、周りの年配の女性患者さんたちから「あんな言わんでもいいのにねー」と、言葉をかけられました。
患者さんたちの暖かいことばに救われました。ありがたかったです。
外科の主治医も看護師さんもそうですが、誤った知識と行動が、どれだけ患者を傷つけるのか。
しかし、後日、この「よくないこと」は、仕事で役に立つことになるのです。
ある時、学校からの依頼で、全校生徒に病気に関する講話をする機会がありました。
数百人の生徒さんを前に、体育館で講話を始めました。
このような病気は、このような予防方法がありますと説明しても、生徒さんたちはざわざわ。聞いているような、いないような?
ところが、誤った知識や行動が、病気の人をいかに傷つけるかについて、入院中の自分の経験談を話し始めた途端、会場の雰囲気がガラリと変わりました。
それまで、下を向いていた生徒さんたちが、急に顔を上げ、真剣な顔で話を聞いてくれました。
その時、あの「よくなかった」ことは、この日のためにあったのかも知れないと思いました。
私の役割は、若い人たちに、生きるうえで起こる「よくないこと」と、それに対応する知恵を伝えることかも知れないと。
その日を境に、「よくないこと」が起こると、この先の人生でどのように役立つのか、ひそかに楽しみにするようになりました。
不思議なことに、そう考えると、「よくないこと」が、以前より重たく感じられなくなってきました。
「よくないこと」の意味づけが、変わったからのかも知れません。
「よくないこと」とのつきあい方で、もうひとつお話したいことが、あります。
少し長くなってしまったので、続きは、明日。
また、おつきあいいただけるとさいわいです。
参考