【tubu.48】COPDってどんな病気?【慢性閉塞性肺疾患】

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48.COPDってどんな病気?




( @∀@)

みなさんこんにちは。Dr.かづきちです。

タバコは肺を傷つける、タバコは肺がんの原因になるなど、喫煙によって肺が傷つくことを聞いたことがあると思います。

 

実は、肺がんだけでなく、他にもタバコが原因で肺が傷つく病気があります。

 

その一つが、“COPD”です。

 

みなさんは“COPD”という名前を聞いたことがありますか??医師国家試験頻出の病気です。

 

“COPD”は「コップド」ではなく「シーオーピーディー」と読みます。

(昔、自分が医学生になったばかりの頃、コップド?と思っていた覚えが…。笑)

 

テレビや紅白で有名な某歌手もCOPDということを明かしています。

 

しかし、“COPD”という名前だけではなんだかよくわかりません。

今回は、「COPDとはどんな病気なのか?」ということに迫ります。




  1. COPDってなに!?

    “COPD”とはなんのことなのでしょう?見た目はなんだか略語っぽいですよね。

     

    その通り、“COPD”「慢性閉塞性肺疾患」の略語です。

    Chronic obstructive pulmonary diseaseを略してCOPD!

     

    「慢性」という言葉から、長年にわたってタバコを吸うことで、次第に肺が傷つくことはなんだかイメージできます。

    また、肺の病気だから「肺疾患」というのも納得。

     

    しかし、「閉塞性」ってなんのこっちゃ…?

     

    肺が閉塞したら、なんだか空気の出し入れができなくなりそうですね。呼吸がすごく苦しくなりそう…。

     

    その通りです。COPDのポイントはこの「閉塞性」にあります。

     

  2. 肺は支え合ってできている?

    COPDの患者さんを考える前に、正常な肺の仕組みを考えましょう。

     

    肺は空気の出し入れを行い、からだに酸素を取り込み、二酸化炭素を捨てています。

    酸素を取り込み、二酸化炭素を捨てるのは、肺の中の肺胞という小さなお部屋で行われています。

     

    肺はこの小さな肺胞が集まってできています。

    肺胞という小さなお部屋には、それぞれ小さな気管支が入り込んでいます

    この気管支をチューブがわりに、からだの外と中の空気を出し入れしています。

     

    小さな気管支たちは、細くて弱いのですが、肺胞の壁で支えられることでその形を保つことができます

     

    では、息を吸う時、吐く時、この小さな気管支はどうなるのでしょう。

     

    息を吸う時は、肺が大きく膨らもうとします。すると、小さな気管支には外側に引っ張る力がかかり、開きます。

    一方、息を吐く時は、肺は縮みます。この時、小さな気管支には、外から内向きに圧力がかかります。しかし、肺胞に支えられているので、小さな気管支は形を保つことができます




  3. COPDでは肺胞が壊れる

    COPDでは、この肺胞の壁が壊れてしまいます

     

    長年、吸ってきたタバコによって、からだの蛋白分解酵素が余計な働きをし、肺の壁をどんどん溶かしていきます。

    そして、肺胞の壁に穴があいていきます。(この状態を肺気腫と言います)

    タバコを吸っている人の3割がCOPDになると言われています。そして、タバコを吸い続ける限りCOPDは進行していきます。

     

    COPD患者さんの肺の中をCTで撮影してみると…

    肺胞が壊れて、肺胞の壁がなくなってしまいます。

     

    では、肺胞壁という支えを失うと気管支はどうなってしまうのでしょう。

  4. 支え合いを失うと…

    先ほど話した通り、小さな気管支は肺胞の壁に支えられて、その形を保っています。

     

    しかし、COPDで肺胞が壊れてしまうとさぁ大変。

    小さな気管支は形が保てなくなり、潰れやすくなります

    息を吸うときは肺が膨らもうとする力で、形を維持できるのですが、息を吐くときはべちゃっと潰れやすくなってしまいます。

    息を吐くときに、小さな気管支が潰れてしまうと大きな問題が起きます。

     

    本来は小さな気管支を通って出て行くはずだった空気が、通り道を失い、肺の中に溜まってしまうのです。

     

    だから、COPDの患者さんは息は吸えても、うまく吐くことができなくなり、苦しく感じてしまいます。

    気管支が閉塞してしまうこと、これを「閉塞性」と言っているのです。

     

  5. 肺に空気がたまりすぎることの問題点

    COPDでは、空気が肺に空気が溜まってしまいます。

    この状態が続くと、肺の中にどんどん空気が増えて肺が膨張していきます。

     

    すると、COPDの患者さんに特徴的な症状が見られるようになります。

    まず、肺が膨らみすぎることで、胸(胸郭)が膨らみ樽のような丸い形になってきます。これを樽状胸郭と言います。

    また、肺胞が壊れ気管支が潰れやすくなるために、呼吸音は弱くなります。(呼吸音減弱

     

    胸部レントゲンで見てみると、心臓が細長く見えます。

    空気が入りすぎ肺が大きくなることで、横隔膜が下がってしまいます。そこに乗っている心臓が立ってしまうので心臓が細長く見えるのです。(滴状心

     

    これだけでなく、患者さんは口をすぼめて息を吐くようになります。(口すぼめ呼吸

    口をすぼめて、空気の出口を狭くすることで、空気の通り道の圧が上がります。

    すると、小さな気管支が潰れにくくなります。これで、呼吸が楽になるのです。

    この口すぼめ呼吸は、意識してするものではなく、COPDの患者さんが息を吐くときに無意識にしているものです。(人体は無意識のうちに、自分にあった方法を見つけるのですね!人間のからだはすごい!)

     


今回は、COPDの仕組みについて見ていきました。

COPDは息をうまく吐けなくなる病気ということはなんとなくお分りいただけましたか?

 

ただ、COPDの仕組みがわかっても、実際患者さんのがどのような状態で病院に来るかはイマイチピンときませんね。

 

次回はCOPDの患者さんに起きる、いろいろな病気についてお話しします。

 




参考文献

やさしイイ呼吸器教室 ベストティーチャーに教わる全27章 日本医事新報社 長尾大志 著

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