【tubu.50】なぜフグ毒は怖いのか?【テトロドトキシン】

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50.なぜフグ毒は怖いのか?

 

 




( @∀@)

みなさんこんにちは。Dr.かづきちです。

 

最近、温暖化のためかフグが北海道でも漁れるようになってきています。

 

そこで問題になっているのが、フグの調理ができる人が少ないということです。
北日本はもともとフグが取れなかったので、フグを調理できる人が西日本と比較し少ないようです。

 

また、雑種フグといわれるものが現れ、どこに毒があるのかよくわからなくなっていると指摘する人もいます。

*産経新聞 https://www.sankei.com/life/news/181014/lif1810140041-n2.html

 

そんなフグですが、一体その毒はどうして怖いのでしょうか?

今日は、神経のメカニズムからフグ毒が人間のからだに働く仕組みをお話しします。




  1. 「電気の流れ」が神経の要

    私たちの神経は、脳から筋肉までその指令を伝えています。

    ではどうやって、神経は情報を伝えるのでしょう?

     

    実は、私たち人間の細胞には電位があります。

    少し難しいのですが細胞の中と細胞の外では電位に差があります。

     

    簡単に言うと細胞の内外に電池のプラス極やマイナス極があるイメージです。

     

    普通の私たちの細胞は、外側プラスで、内側マイナスの電気を帯びています。

    神経は、このプラスマイナスを巧みに利用して、情報を脳から筋肉までうまく伝えています。

    まず、刺激が来ると、その刺激を受けた部分はマイナスプラスが入れ替わります

    すると、隣接する電位も入れ替わり、それがどんどん隣に伝播していきます。

    この電位変化の鍵となっているものが、細胞の表面に存在するナトリウムチャネルです。(Naチャネル)

     

    このナトリウムチャネルが働くことで、電位変化が起きます。

    そして、隣接するナトリウムチャネルが次々に働くことで電位変化が伝播していくのです。

     

    神経は、この電位変化によって、情報を筋肉まで送っています。

     

    簡単に言うと、神経という銅線に電気が流れているイメージです。

    そしてナトリウムチャネルはその電気を起こすために必要な道具と思っていただけたらよいでしょう。




  2. フグ毒の仕組み

    では、今紹介した神経の仕組みとフグ毒はどう関係あるのでしょうか???

    フグ毒、正式名称をテトロドトキシンと言います。

    略称はTTX。なんだかかっこいいですね。

    しかしこの毒はとても危険です!!!

     

    実はこのテトロドトキシン、先ほど出てきた神経のナトリウムチャネルにくっつきます。

    そして、ナトリウムチャネルが働かないように邪魔をします。

     

    すると、神経は電位変化を作ることができなくなります

    これでは、神経伝達ができなくなり、筋肉に指令を送ることができません!!!

    そして、呼吸筋は動かなくなり、呼吸困難に陥ります。

     

    運が悪ければ、呼吸困難で亡くなってしまいます。

     

    テトロドトキシンって怖い!

     

  3. TTXは心臓には効かないの?

    テトロドトキシンは神経に作用し、呼吸筋を止めてしまうと言うお話をしました。

    そのため、呼吸ができなくなり死に至ります

     

    呼吸筋が止まってしまうのであれば、筋肉の塊である心臓もテトロドトキシンでやられてしまいそうですね。

     

    実は、心臓は止まりません!!!

     

    なんと、心臓にはテトロドトキシン抵抗性のナトリウムチャネルが存在します。

    このため、テトロドトキシンがやってきても、心臓は動き続けることができます。

     

    と言うことは、呼吸筋が止まったとしても心臓は動き続けるので、意識はなかなか無くなりません

    すると、とても苦しむことになります。

     

    フグ毒を食べるとこのように恐ろしいことが起きてしまうのです。


以上、フグ毒の恐ろしさについて紹介しました。

今回はフグ毒、テトロドトキシンの作用についてでしたが、いかがでしたか?

心臓には作用しない点が意外ですよね!

 

ああ、この記事書いてたら怖いけどフグ食べたくなってきた…。

 

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参考文献

産経新聞 https://www.sankei.com/life/news/181014/lif1810140041-n2.html

NEW薬理学 改訂第6版 南江堂 田中千賀子・加藤隆一 編集

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