【tubu.56】医師国家試験ってどんな試験?①【400問耐久レース】

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56.医師国家試験ってどんな試験?①

 




( @∀@)

みなさんこんにちは。Dr.かづきちです。

 

毎年2月に行われる医師国家試験

医師になる者なら必ず通る、超難関です。

きっと今頃は多くの受験生が追い込みをしているでしょう。(2018年12月)

 

せっかくなので、今回は医師国家試験がどんな試験なのかご紹介します。




  1. 2日間の耐久レース

    丸々2日間、400問と向き合うとても過酷な試験です。(2018年度現在)

     

    一体、何が過酷なのか…。

     

    簡単に選べる選択肢が連続していればいいのですが、そんな簡単な問題はほぼありません。

    過去問を丸々暗記すれば解けるものもほぼありません。

     

    どれもこれも、知識がないと解けない!

    そして、ある程度、知識を応用する力がないと、これまた解けない!

     

    そんな問題が400問も出るのだから、なかなかにクレイジーな試験です。

     

    私たちが医師国家試験を受けた時はなんと、3日間500問…地獄でした。

    試験の最後には身体が痛い、お尻が痛い、疲れで意識が朦朧としている記憶があります。

    (しかも、疲れからか、試験が終わった後にインフルエンザになる人が続出。)

     

    まさに、試験という名の耐久レースですね。

     

    今の試験は2日間400問に短縮されていて、とても羨ましい…。

     

  2. 長文ばっかり、医師国家試験

    実は国家試験の問題には、大きく分けて3種類あります。

     

    まず、1つは知識確認のための一般問題

     

    Q 下腿に好発する皮膚疾患はどれか。

    a 血管肉腫

    b 硬結性紅斑

    c 脂漏性皮膚炎

    d ケラトアカントーマ

    e 血管性浮腫(Quincke 浮腫)

    *111回A6より 答:b

    こんな感じで、ある病気について正しいものや間違っているものを選びます。

    正確な知識がないと正解を選ぶことができません。

    受験生の中には、この一般問題でなかなか点を取れず苦しむ人が結構います。

     

    もう、1つは臨床問題です。

     

    Q 50 歳の男性。健康診断で高血糖を指摘されて来院した。年前の健康診断から指摘されていたが、仕事が忙しく医療機関は受診していなかった。仕事はデスクワークが主体である。身長 175 cm、体重 75 kg。脈拍 72/分、整。血圧 162/92 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下I

    に浮腫を認めない。尿所見:蛋白2+、糖1+、潜血(–)。血液所見:赤血球 550万、Hb 14.0 g/dL、Ht 43 %、白血球 6,800、血小板 30 万。血液生化学所見:総蛋白 7.8 g/dL、アルブ ミ ン 4.0 g/dL、尿 素 窒 素 18 mg/dL、ク レ ア チ ニ ン 0.8mg/dL、尿酸 7.0 mg/dL、血糖 220 mg/dL、HbA1c 7.8 %(基準 4.6〜6.2)、トリグリセリド 190 mg/dL、HDL コレステロール 40 mg/dL、LDL コレステロール160 mg/dL。

    治療方針として適切なのはどれか。

     

    a 血糖コントロールが達成されてから降圧療法を開始する。

    b 130/80 mmHg 未満への降圧を目指す。

    c 1,500 kcal/日の食事指導をする。

    d インスリン治療を開始する。

    e 食塩制限は 10 g/日とする。

     

    *111回A41より 答:b

     

    臨床問題は、患者さんの状態から適切な検査、診断、治療を選ばせます。

    臨床問題で受験生が嫌がるのは、「情報量が多いこと」です。

     

    実際に患者さんを診るときは、たくさんの情報の中から、必要な情報だけ取捨選択して治療をしていく必要があります。

    臨床問題では、このスキルが身についているかを確認するために、問題文にたくさんの情報が盛り込まれています。

     

    そして、3つめは必修問題です。

    この必修問題は、問題の形式は一般・臨床問題とほぼ変わりはありません。

     

    しかし、必修問題は80%以上正解しないと合格できません。

    医師として必ず獲得しておくべき知識・判断を問うので「必修」と名付けられています。

    時に、一般問題や臨床問題の点数は十分にあったけれども、必修で80%に届かなかったために不合格となるケースもあります。

    このようなケースは必修落ちと言われ、受験生が最も恐れる事態です。




  3. 勉強量は半端じゃない!?

    ここまで、医師国家試験について紹介したのですが、合格のためには一体どれくらい勉強したらいいのでしょう?

     

    では、一般的な内科のお医者さんを思い浮かべてみましょう。

    内科のお医者さんは、基本的に内科を中心に診察しています。そのため、普段の診療では外科や眼下・整形外科など他の診療科の知識はあまり必要ありません。

     

    しかし、医師国家試験で求められるモノは違います。

    全ての診療科の知識を満遍なく知っておかないと解答することができないのです。

     

    加えて、身体の解剖や、生理学、細胞の中のものの動き、お薬の作用・副作用など様々な知識が必要になります。

     

    また、公衆衛生や予防医学などの社会医学の知識も必要になります。

     

    もう、大学受験の比ではない勉強量です。

     

    学生時代、一体どれくらい勉強しているのかを確認するために、試しに教科書・参考書を積み重ねてみたのですが…

    机の高さを超えたところで積むのをやめました。笑

    多分、そのまま積み重ねていたら、天井より高くなっていたでしょう。

     

  4. 最近のトピックスも出題される

    最近のトピックスを出題するのは大学受験には定番ですが、医師国家試験でも同様の傾向があります。

     

    例えば、昨年行われた112回の試験では「爆傷」の問題が出ました。

    「爆傷」と言えば、テロを彷彿させますね。

    これはおそらく、2019〜2020年にかけて日本でたくさんの国際的イベントが開催されることを意識した問題だと思います。(詳しくはtubu.44tubu.45で確認!)

     

    また、近年、厚生労働省は「ロコモティブシンドローム」というものをみなさんに知ってもらおうと活動を行なっています。

    このため、医師国家試験の出題範囲に、新たに「ロコモティブシンドローム」が掲載されました。

    ロコモティブシンドロームは、簡単にいうと加齢や筋力低下で体をうまくうごかせなくなることです。高齢社会・運動不足が問題となっている現代にぴったりの言葉ですね。

    今後は、「ロコモ」に関する出題が増えてくることが考えられます。

     

    このように、近年の社会情勢を考慮した問題が出題されるので、ニュースも必ずチェックしておきたいですね。

     

    そう言えば、今年は、風疹が大流行しているので、もしかしたら出題されるかもしれませんね。

    (風疹についてはtubu.28で確認!)

 


今回は、国家試験がどのような試験かを大まかに説明しました。

「超過酷な試験」であることがみなさんに少しでも伝われば嬉しいです。

次回は、国家試験のためにどう勉強するかについてお話します。




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