【diary18】Dr.かづきちの闘病日誌【もう不安しかない】

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前回→魔の8月1日




18.もう不安しかない

前回は、退院前日に突然、血尿ならぬ「血」があふれ出したお話をしました。

今回はその続きです。




血があふれ出して、ベッドに横になったかづきち…。

 

そして点滴と尿道カテーテルを入れられ、すぐに腎臓内科の部長の先生にも連絡がいったようです。

 

それからどれくらい経ったでしょう…。

 

気がつくと、青い手術着に着替えさせられていました。

 

そして、腎臓内科の部長の先生から一言…。

「血が止まらないから、放射線科に連絡して、緊急でアンギオすることになったから。」

 

と言われました。どうやら、腎生検の傷からの出血が止まらず、危険と判断だれたようです。

 

ぼんやりとした意識の中で私がまず思ったことは、

「ワォ…。まじかよ。」

 

アンギオとは、いわゆる血管内手術のこと。

血管内にカテーテルという管を入れて、X線と造影剤で出血しているところを確認しながら、出血している穴を塞ごうという手術です。

右足の付け根の大腿動脈から太い針を刺して、血管内に管を入れます。

造影剤も放射線も使います。しかも、数時間の間に何度も使う手術になります。

 

この時、初めての造影CTで、造影剤を恐れていたことを思い出しました。

また、1週間という短期間の間に何度も(もうすでに2回も造影CTをしている)、腰に放射線を浴びるので、卵巣がダメージを受けたらどうしようなど、不安で不安でたまりませんでした。

 

また、アンギオで血が止まらなかったらどうしようという不安もありました。

その場合、最悪、手術で左の腎臓を摘出しなければなりません。

考えただけでゾッとしました。

 

とにかく、不安が頭の中をぐるぐる回っていたのだけは確かです。




しかし、どんなに不安に駆られて胸が押しつぶされそうであっても、現実は残酷です。

無情にも、ベッド横の尿バッグには、尿道カテーテルを伝わってどんどん、血尿(血?)がたまります。

 

だんだんと手足が、冷たくなっているのがわかりました。

部屋にはくましゃんも、母もいませんでした。

 

そしていくらか時間がたったでしょうか…ふと横を見ると、見慣れた顔が…。

その日にお見舞いに来る予定だった後輩が、横にいました。

 

私「あ、来てくれたんだ。こんなことになっててごめんね。びっくりしたよね。」

ベッドの上から、後輩に声をかけました。

 

後輩「先輩こんな時に来てしまって申し訳ありません。」

私「いやいや。いいのよ。むしろ誰もいないから来てくれて嬉しいよ。ありがとう。」

 

後輩がいてくれることで、心が少し落ち着きました。とてもありがたかったです。

 

その時にふと気がつきました。せっかくなら、この惨めで残酷な姿を写真で残しておこう…そう思い、後輩に自分の携帯を渡しました。

 

私「これで、私の姿を写真でとっておいて。あと下の血塗れの尿バッグも写真に写しておいて。」

 

きっと、後輩はびっくりしたと思います。びっくりしつつも写真をとってくれました。

 

しばらくして、後輩は帰って行きました。

 

ひとりぼっちになった私。

いよいよアンギオの時が目の前に迫ってきました。

 

次回→番外編①:お見舞いに来てくれた人たち




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