【diary19】Dr.かづきちの闘病日誌【痛みとまどろみの中で】
前回→もう不安しかない
19.痛みとまどろみの中で
前回は、緊急アンギオ(血管内手術)が決まり、不安に駆られていたかづきち。お見舞いに来てくれた後輩にあえて少しホッとしていました。
今回はいよいよ、アンギオ室に到着します。
手術着を着せられて寝ている私。鎮痛薬も鎮静薬も入れているにも関わらず、左腰の痛みが止まりません。
とにかく痛みが辛かったです。痛みと鎮静薬で目の前が揺れていました。
おそらく出血がつづき、腎臓を圧迫していたのでしょう。さらに、その血が尿管の中で固まり始めて、詰まっていたのでしょう。
そのため、とんでもない痛みを感じていたようです。
痛みは、ちょっと柔らかい尿管結石が、ひたすら流れていく感じ、といえばわかりやすいでしょうか?
気がつくと、私を乗せたベッドはアンギオ室に向かうエレベーターの中にありました。私は意識を保つのがやっとでした。
この時、母は職場から急いで、病院に向かっていました。
一方のくましゃんは…、私が再出血で緊急アンギオが決まった時、手術の助手をしていました。
だから、当然、私が緊急アンギオになったことを知りませんでした。
私がアンギオ室に運ばれる直前に、くましゃんはようやく手術室から出て、カルテを書いていると…
友人の看護師さんから「くましゃん!!なんでここにいるの!?かづきちが緊急アンギオだってよ、早く行かないと!!!」と言われました。
くましゃんはびっくりして、一気に顔が青ざめました。
「なんで…?明日退院じゃん…。」
かづきちの退院を楽しみにしていた、くましゃんはショックを受けました。
ちょうど、かづきちのベッドがエレベーターから降ろされ、廊下を移動していた時、朦朧とするかづきちの目にいつも声をかけてくれる患者さんと、くましゃんの顔が見えました。
手術着をきたまま走ってきたであろう、くましゃんの顔は真っ青でした。一瞬でしたが、目も赤く見えました。
くましゃん「かづきち、頑張れ!」
震える声で、くましゃんが叫んでいるのが、通り過ぎるベッドの上でわかりました。
そしていよいよ、私はアンギオ室に到着するのです。