【diary21】Dr.かづきちの闘病日誌【長い永い、1日の終わり】
21.長い永い、1日の終わり
前回、緊急手術(アンギオ)が始まりました。
今回は、ようやく「出血源」が判明します。
緊急手術が始まってどれくらい経ったでしょうか、放射線科医が私に話しかけてきました。
「かづきちさん、動脈と静脈が繋がって、そこから出血しているようです。今から、その穴を塞ぎます。」
なんと!
腎生検の針は、動脈と静脈を貫通していたのです。
そして、動脈と静脈が繋がり、動脈の血液が静脈内に流れ込んでいました。(動静脈瘻)
後から聞いた話ですが、この動脈と静脈をつなぐ穴は、腎生検時は小さかったそうです。
しかし、時間が経つうちに、動脈の圧に押されて、この穴は大きくなったようです。
そして、魔の8月1日、静脈は圧に耐えられなくなり、最初の出血の傷口から再度出血した…とのことでした。
こうして、動脈と静脈の間にできた穴を塞ぐべく「腎動静脈瘻塞栓術」が始まりました。
手術の間も、鎮痛薬や鎮静薬を投与されていましたが、痛みが引くことは一向にありませんでした。
本当に辛かった…。
意識がなくなりそうになるたびに、放射線科医や技師さんが声掛けをしてくれました。
時々、腎臓の血管の正確な位置を確認するために、「息を吸って、止めて」と言われ、呼吸を止めました。
これが、なかなかに苦しかった…。
痛みと、冷や汗で、息は上がっていたので、必死になって息どめをしなければならず、とても苦しかったのです。
その後、何時間経ったのでしょうか…。
放射線科医「動静脈瘻は無事に塞げました。きちんとふさがっているか、放射線科の他の先生と3人で確認しました。」
この時の私の気持ちは…、「よかった!この状況から解放される!!!!ようやく、太ももに突き刺さっているカテーテルから解放される!」。
きちんと穴を塞いだことよりも、痛い痛いカテーテルから解放される方が何倍も嬉しかったです。
あまりの喜びに「ありがとうございました。」と、周囲にいたスタッフにお礼を言い続けました。
気がつくと、手術は終わり、病室に向かうベッドの上に乗せられていました。
そして、手術室から出たのは夕方…その時、最初に見たのは、手術室前の廊下で私のベッドを覗き込む母の顔でした。
顔色の悪い母がこっちを見つめているのが見えて、ごめんねと思いつつ、安心しました。
そこからは、意識がどんどん遠のいて行きました。
自分の病室に到着して、血圧計を巻かれたのは記憶にあるのですが…。
その日の記憶はここで途絶えています。
次回、8月2日の朝のお話です。
次回→これから、一緒に