【diary32】Dr.かづきちの闘病日誌【医者って何だろう】

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前回→続、くましゃんがおかしい




32:医者って何だろう

前回、くましゃんの異変をたくさん見つけてしまった私。

気がつくと、私の復職日が迫っていました。




8月中旬。私のが血尿に見舞われて、早一ヶ月以上経ちました。

病院を退院してから、10日ほど経ったところで、いよいよ復職の日がやってきました。

 

復職先は、整形外科です。

外科での復職ですが、とても手術室で助手として参加できるような状況ではありません。

 

もちろん、私の病状を部長の先生はご存知ですが、一体どんな仕事をするのかと私は不安で不安で仕方ありませんでした。

 

さて、朝になり、いよいよ出勤です。その日はくましゃんと一緒に家を出ました。

家から病院までという大したことのない距離でしたが、私には久々に歩く長い距離でした。

 

荷物はくましゃんが持ってくれていましたが、病院に着く頃には息が上がっていました。

 

さて病院に着くと、次の難所が待ち受けていました。その名も階段。

手すりを使って一生懸命登りました。

通勤がこんなにも大変だと感じたのはこの日が初めてでした。

 

久々に白衣に袖を通し、病棟に向かいます。

 

そして、整形外科の先生が集まるカンファレンスで、先生方にご挨拶し、研修が再スタートしました。


私は手術室で助手としてはいるのは困難な状況だったため、病棟でのガーゼ交換の助手をすることになりました。この時はどんな仕事でも与えられて嬉しいと思っていました。

こんなボロボロの体でもできることはあると思うと胸が熱かったです。

 

しかし、すぐにそんな悠長なことを言っている場合ではなくなりました。

 

病棟で、No.3の先生とカーぜ交換で病棟を回ることになったのですが…。

 

まずその先生に聞かれたのは、今の私の体調でした。さらにガーゼ交換で病棟を回りながら根掘り葉掘り聞かれます。

自分が腎生検で死にかけたこと、出血が激しかったこと、緊急手術になったこと、いろいろなことをたくさん聞かれました。

そしてふと、ある患者さんの病室に入った時、私の胸が苦しくなりました。

 

病室には血圧計のモニターがあり、尿カテーテルのバッグがぶら下がっていたのです。

 

「君も入院中、尿カテ入れてたんでしょ。」

その先生は何気なく言いました。

しかし、私は尿カテを見た瞬間に強い恐怖を感じました。

全身が硬直するのがわかりました。

 

先生はそんな私の気持ちも知らずに、続けました。

「君、珍しいケースに出会ったんだから、自分で症例発表すればいいんじゃない?」

 

最初はこの先生が何を言っているのかわかりませんでした。

どうも「珍しいケース」=「私が事故にあったこと」を症例報告すればいいではないかと言っているようなのです。

 

私はフリーズしてしまいました。耳を疑いました。

それでも私は表情を崩さず、

「あはは。それはいいですね。確かに自分のことなので詳しく書けそうです」

必死に声を振り絞って返事をした記憶があります。

 

 

気がつくと病棟一周し、ガーゼ交換は終わり、やっとNo.3の先生から解放されました。

研修医室に戻ると、一気に体が重くなりました。

 

なんて無神経な医者なんだ…。

この先生の言葉は、私にとって「最低」でした。

「あの先生は、入院中の辛い思い出を思い出せというのか。」

 

残念ながらこのような発言をされる先生は一人ではありませんでした。

私は自分の感覚を疑い、自問自答しました。

 

「この人たちは患者をなんだと思っているんだ。普通、恐怖体験をした患者にこんなことを言うのだろうか?」「それとも私の感覚がおかしいだけなのか。」

 

医者ってなんなのだろう…。医者にとっての患者ってなんなのだろう。

そもそも、入院中の怖い経験はそもそも何だったのだろう。

医者はその恐怖をなんと思うのだろう。

ただ、不信感と恐怖が私の頭の中を回り続けました。

 

 

 

これは、私のメンタルが明らかに崩れ始めた、最初の段階でした。




 

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