【tubu.61】医学書のレビューをしてみた【医師国家試験の取扱説明書編】
61.医学書のレビューをしてみた~医師国家試験の取扱説明書編~
( @∀@)
みなさんこんにちは。Dr.かづきちです。
最近、本屋の医学書コーナーでよく見かける
「医師国家試験の取扱説明書」。
ずーっと、気になっていたこの本ですが…
つい先日、お金が貯まったので購入してみました!
今回は、「医師国家試験の取扱説明書」レビューを紹介します。
1.どんなことが書いてあるの?
「医師国家試験の取扱説明書」
真っ赤な本が医学書コーナーに並んでいるのを見たことがありませんか?
私は初めてこのタイトルを見たとき
「医師国家試験当日の過ごし方とかのお話かしら…」
と思いました。
しかし、この本は「医師国家試験の問題の取扱説明書」だったのです!
「どう国家試験の問題を解くか?」「解くときはどこに注目するのか?」「よくある落とし穴はどこか?」などなど、問題の解き方や勉強方法に特化した本なのです。
問題の解き方にここまで焦点を当てた本は、今までなかったと思います。
その点では、なかなか斬新な本でしょう。
2.どんな内容?
この本の特徴は、実際の国家試験の問題を例にポイントを解説しているところです。
国家試験を解くときのポイントはなんと47個も紹介されています。
例えば、「主訴に立ち返る」や「陰性所見に注目する」といったよく聞くものから、「local factorは排除する」など内容を読まなければピンとこないポイントなどが掲載されています。
そのポイントごとに国試過去問を取り上げ、国家試験を解く上での注意点の解説を行っています。
実際に、国家試験を読者に解いてもらうことで、陥りやすいポイントを体感できる仕組みになっているのがこの本の最大の特徴かもしれません。
臨床を踏まえて国家試験の解き方を解説しているのもいい点だと思います!
小手先だけの技術ではなく、将来に使える考え方を紹介しています。
巻末には、練習用問題があり、問題の解き方を練習し、理解を深めることができます。
3.オススメの使い方!
私はこの本を読んで理解(納得)するまでに、ちょっと時間がかかってしまいました。
普段、使わないような言葉も並んでいるので(私に読解力がないのかも…)、読んでいてモヤモヤすることもありました。
もしかすると、それは私自身の解き方が確立しているため、他の人のやり方をすんなり受け入れることが難しいのかもしれません。(まだまだ修行が足りないなと思います。)
しかし、参考になることもあり、今後自分の解法に取り入れようかしらと思う内容も多々あります。
それを踏まえた上で、
次の人たちに、この本をオススメしたいです!
① まだ国家試験勉強を始める前の4・5年生
② 成績が伸びずに行き詰まった6年生・国家試験浪人生
① まだ国家試験の問題に出会ったことがない5年生や、CBTの勉強をしている4年生。彼らは、きっと解き方の基本がまだまだ身についていないと思います。
そんな時に、この本を読めば、解き方の基本を知ることができると思います。
もし時間がないのなら、1章だけでも読めばOKと思います。
② 6年生や国家試験浪人生の中には、勉強しても成績が伸びずに悩んでいる人も多いかもしれません。
そんな人は、一回立ち止まってこの本を読んでみるのもアリだと思います。
私の経験的に、伸び悩んでいる人は、国家試験の解き方に「クセ」があることが多いと感じています。
例)バイタルサインを見落とす、陰性所見を見落とす、年齢・性別を読みおとすetc.
国家試験できちんと問題を解くためには、自分の「クセ」を見つけて改善する必要があります。
この本の2章や3章に目を通せば、きっと自分の「クセ」を見直すいい機会になるでしょう。
4.まとめ
「医師国家試験の取扱説明書」は、
国家試験の問題の解き方・勉強を紹介している斬新な本
まだ国家試験に触れていない4・5年生と、行き詰まった6年生・国試浪人生におすすめ
ぶっちゃけ、6年生でそこそこ点数が取れている人は、この本を無理して読む必要はないと思います。
(もちろん読んだ方が、いろいろ視野は広がると思うけれど…。自分のものにするまでは時間がかかりそうなので、国家試験1、2ヶ月前の6年生や国試浪人生にはあまりお勧めしません。)
ただ、やはり国家試験問題に触れる前の4・5年生には、国家試験の基本的な仕組みを学ぶ上で重要なので読んでほしい一冊です。
また、模試の点数が伸び悩んでいる6年生や国試浪人生は、解き方や考え方に何らかの「クセ」があるかもしれません。その様な方々には、この本がおすすめです!
以上、「医師国家試験の取扱説明書」のレビューでした。