【diary48】Dr.かづきちの闘病日誌【医学部で何を勉強してきたの?】
前回→くましゃんのうつ
48:医学部で何を勉強してきたの?
前回、くましゃんがついにうつ状態と診断され、病状に合わせて研修をすることになりました。
今回は、くましゃんが研修医室で、非情な現実に出会ってしまう悲しいお話です。
F先生との面談を終えたくましゃんは、家に帰ってかづきちにうつ状態と言われたことを伝えました。
くましゃんとF先生が面談をした次の日、かづきちだけでなく、くましゃんまでうつ状態に陥ってしまったという話が研修医にも伝えられていました。研修医たちはびっくりしたようだったのですが…。
その夕方、くましゃんは研修医室の裏側のソファで座って休んでました。
「うつ状態と言われたけれど、今後どうしたらいいのだろう。」
かづきちはフラッシュバックが多発して状態が悪いし、くましゃんはどうしたものかと考えていました。
すると、研修医室の別のところから、同期の研修医の声が聞こえてきました。
なんだか二人で話しているようですが、二人はくましゃんが研修医室内にいることに気がついていませんでした。
「あー、私もうつって言われたらよかったわ〜。休めるし。」
「いや、あいつらがうつとか嘘でしょw」
くましゃんは、耳を疑いました。
かづきちやくましゃんは、あまりにひどい体験をしたためにうつになったのに、
なんとその研修医二人はずる休みしていると思っているようなのです。
ちなみに、かづきちは自分で他の研修医たちに病気と入院の顛末を説明していましたので、知らないわけがありません。
(さらに、別にかづきちが休むから自分たちのお仕事が大幅に増えると言うわけでもありません。もしかしたら、サボれなくなったりはあるかもしれませんが…。)
自分で言うのもなんですが、くましゃんもかづきちもお仕事には誠実に向き合うタイプです。
会話している研修医たちが「楽だったわ〜」とか言っている研修科も、我々二人は忙しくてお昼ご飯を食べる暇もありませんでした。
それなのに、そんなこと言われてしまい、驚きました。
この人たちは「うつ病」ってどんな病気か知っているのか?
何が原因で、うつ病になるのか?うつ病の人たちの気持ちを大学で勉強しなかったのか…???
そもそも、自分(くましゃん)やかづきちの何を知り、何を否定し、そんな軽口を叩いているのか。
くましゃんには、話している研修医二人の頭の中が理解できませんでした。
その後も研修医二人は、くましゃんとかづきちのことを批判していました。
くましゃんは、はじめはジッと聞くことに徹していたのですが、
我慢できなくなってしまいました。
そして、ソファから立ち上がり、おしゃべり研修医二人の前に現れました。
すると二人はみるみる顔が青くなるではありませんか。
一人は、くましゃんの姿を見るなり、そそくさと逃げ出しました。
取り残された方の一人は、言い訳を始めようとしました。
「こ、これはね…」
そこでくましゃんは静かに一言。
「もう何も言うな。」
くましゃんの怒りは頂点に達していました。
くましゃんはその一言を放ったのち、着替えてさっさと家に帰りました。
もともと状態の悪かったかづきちでしたが、帰ってきたくましゃんからその話を聞き、さらにダメージを受けました。
「一生懸命頑張った結果、死にかけ、こんな仕打ちに合うなんて。
いったい自分たちは何をしたと言うのだろう…。
自分ではどうしようもない状況なのに、なんでこんな軽はずみなことを言う人がいるのだろう。
彼女らは、いったい医学部でうつ病の何を勉強してきたのだろう。
いや、そもそも勉強してないのか…???」
くましゃんとかづきちは、「医者不信」にますます拍車がかかってしまいました。
この話の後、くましゃんとかづきちはさらに症状が悪くなっていくのです…。
次回→急降下するメンタルとお腹