【diary53】Dr.かづきちの闘病日誌【二人の闘病生活】
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53:二人の闘病生活
前回の闘病日誌では、「闘病日誌のおさらい」を紹介しました。
今回からいよいよ、かづきちとくましゃんの闘病が始まります。
世にも奇妙な、ダブルうつの闘病物語・・・。
くましゃんが精神科病院に連行され、うつと診断されてから二人の闘病がスタートしました。
病院から帰った二人は、動くエネルギーがなくなり、デリバリーの夜ご飯を食べました。
その日の夜、くましゃんは早速、病院でもらった薬を飲みました…。
しかし、結局、全然眠ることができず、朝を迎えました。
やはり、薬はすぐには効かないようです。
二人とも休職して迎える朝はなんだか不思議でした。
無理に仕事に行かなくていい。追われなくていいのです。
なんだか肩の荷が降りたような不思議な気持ちになりました。
これから良くなるといいな…二人はそう信じていました。
特に、かづきちは1ヶ月もしないうちにお仕事に戻りたいと思っていました。
しかし、現実はそんなに甘くありませんでした。
休職して数日経ったある日…。
その日、かづきちとくましゃんは、家で夕食を食べていました。
ふとテレビで医療費の問題のニュースが流れてきたのです。
テレビに病院の病室が写された瞬間…かづきちに異変が起きました。
急に胸が苦しくなって、全身がゾワゾワ感じに襲われたのです。
突然、病室に戻った感覚になり、目の前に入院中の記憶、映像、感覚が目まぐるしくすぎていきました。
入院中に、聞こえた声や痛みも、今まさに感じているかのような感覚に襲われました。
この時、自分が家にいることなど全く頭の中になく、入院中の出来事を何度も何度も繰り返している恐怖にひたすら襲われていました。
ちなみに近くにいたくましゃんから見ると、テレビを見た直後のかづきちが腰(傷あと)を押さえて、「痛い痛い」とうめき出したそうです。かづきちは全身、冷や汗まみれで、涙も鼻水もぶちまけながらのたうちまわっていたそうです。(ちなみに入院中は、こんなにのたうちまわったことはありません。)
くましゃんは、パニック状態のかづきちをおさえて、急いで無理やり薬を飲ませました。
そして、暴れるかづきちをベッドに誘導し、薬が効くまで「大丈夫ここは家だよ。もう大丈夫だよ」と言い続けました。これは1時間近く続き、くましゃんは大いに疲弊しました。
薬が効くと、かづきちは眠ってしまいました。
次の日の朝、目覚めた時、かづきちはフラッシュバックが起きたことをほぼ覚えていませんでした。
とりあえず記憶にあるのは「怖かった」ということだけ…。
かづきちは、疲れ切っているということ以外、特に異常はありませんでした。
くましゃんは、この事態に衝撃を受けました。
「マジか…フラッシュバックって恐ろしい…。なんて心臓に悪いんだ…。」
この後、かづきちは、入院を思い出させるようなことを見たり聞いたりすると、何度もフラッシュバックを起こしました。そして、フラッシュバックの回数は次第に増えていきました。
その度にくましゃんは、かづきちに薬を飲ませ、落ち着くまで声をかけ続けました。
自分も病気であるくましゃんには、とても辛い出来事でした。
次回→うつ病患者の1日