【diary57】Dr.かづきちの闘病日誌【くまとバイキング】
前回→私の顔に何かついてる?
57:くまとバイキング
前回、ショッピングモールで「前を見て歩けない」「高い音がキンキン聞こえる」という症状を発症してしまったくましゃん。
今回は、買い溜めの食糧が尽きてレストランに行った時のお話。
その日は、買い溜めた食糧や、かづきち母が作り置きした食料がなくなったため、レストランに行きました。
そのレストランは個室がありました。
人とすれ違うことにストレスを感じるくましゃんには、とてもいい環境のはずでした。
さぁ、早速どのメニューにしようかなと思ったところ…。
くましゃんがメニューを持ったまま固まっているではありませんか。
「もしかして、このレストランが嫌っだったのかな」とかづきちは思ったのですが、どうやらそうでもないようです。
本人曰く、「どれがいいのかわからない」とのこと。
かづきちは疲れているのかなと思い、とりあえず一番上のコースを頼みました。
すると店員さんから言われました。
「バイキングがついているので好きにお野菜をとってくださいね。」
え?バイキングついてたの…????
かづきちもくましゃんもメニューが全く目に入っていなかったため、
その時に初めてバイキングの存在を知りました。
(うつになるとびっくりするくらい文字が頭に入らなくなるのです。このときはじめて気がつきました。)
そして、早速、くましゃんが野菜をとりに行きました…。
しかし…
なんとくましゃんは手ぶらで帰ってきたのです。
え!?
かづきちは何が起きているか全くわかりませんでした。
くましゃん曰く
「いっぱい並んだものを見た瞬間、頭が動かなくなった・」
くましゃんは、うつのせいでなんとバイキングすらできなくなっていたのです。
「考えて選択する」という、なんでもないように見える動作ができなくなる…まさしく、「思考制止」の症状でした。
さっきメニューを選べなかったのはこれが原因だったのか…。
かづきちは驚くとともに、うつの恐ろしさを体感し、背筋が凍りました。
「前を見て歩けない」、「高い音がキンキン聞こえる」、「目の前のものを選べない」
目に見える、予想もしなかった恐ろしい症状たち。
これは、お薬を調整してもらわないと大変なことになる!
つい1ヶ月前まで、病棟で患者さんを10人以上見ていたくましゃん。
一体どうしてこうなった???
次回、くましゃんに新しいお薬が処方されます。
次回→薬とイレウス