【diary60】Dr.かづきちの闘病日誌【静かなところに行ってみたら】

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前回→焦るかづきち

 

60:静かなところに行ってみたら

前回、連絡トラブルなどもあり、期限の3ヶ月をギリギリまで知らされなかったかづきち。結局、研修医を2年以内に終えることが厳しくなりました。それに関するゴタゴタで精神的に負担がかかり、かづきちはさらにダメージを受けてしまいました。

 

そして、あまりにも治りが悪いと感じたくましゃんとかづきちは、

自分たちの住んでいるところのせいで、病気が良くならないのではないかと考えるようになりました。

今回は、それに気がついてしまったくましゃんとかづきちのお話です。

 

かづきちが3か月の期限を迎えた数週間後…くましゃんも3か月の期限を迎えました。

この時もK先生からの連絡はなく、くましゃんの場合はそもそも期限をすぎてから知らされました。

くましゃんは、3か月以内に復職できる様子ではなかったので、知ったところで…と言う感じではありましたが、やはり連絡をくれなかったK先生に怒っていました。

※この事件を以後、「3か月」事件と呼びます。ちなみにこの事件の後も一度も研修病院からの連絡や状況確認はありませんでした。

 

この「3か月」事件が起きてから、二人の病状はまた悪化しました。

 

そしてかづきちもフラッシュバックやパニックのような症状が増えました。

その時、ふと二人は状態悪化の引き金に気がつきました。

 

それは「救急車のサイレン」。

 

かづきちとくましゃんの住んでいる寮は病院の救急車入り口の目の前にありました。

そのため、頻繁に救急車の音が鳴ります。

 

実はこの音が、かづきちに「転院搬送時の救急車の車内」を思い出させていたのです。

 

本当にこの音が悪いのか…二人は、近くの山の静かな旅館に1泊して確認してみることにしました。

 

旅館は、とても小さくこじんまりとしていました。周囲は田んぼと山ばかりで全く救急車の音がしません。

聞こえてくるのは鳥のささやきと、木の葉のざわめきだけで、風が爽やかに駆け抜けていきます。

 

二人は何をするわけでもなく、部屋でただゆっくりと過ごしました。

ただそこにいるだけで、心が穏やかになるのです。

心が充電されるような気分になりました。

 

そして何より、夜ぐっすりと安心して眠ることができたのです!!!

こんなことは闘病中に一度もありませんでした。

 

二人は心の状態が環境の違いで大きく変化することに気がつき、驚きしました。

 

「治らないのは、環境が悪いからに違いない」

 

こう確信した二人は、「治すために環境を変えよう」と考えるようになりました。

 

そこで、家族で考えた末にたどり着いたのが「引っ越し」でした。

 

もちろん、うつの患者が引っ越すのは多大な労力を伴いますし、一般的にはお勧めしません。

しかし、かづきちやくましゃんのように病院の近くに住んでいるがために、症状が悪化しているなら場合は別です。

 

では、どこに引っ越すのか?

 

思いついたのが、くましゃんが学生時代に住んでいたマンションです。

実は、研修2年目はくましゃんは学生時代のマンションに戻って、別の病院に勤務する予定でした。このため、学生時代のマンションを借りたままにしていたのです。

 

そのマンションに戻るのなら、くましゃんが住み慣れたところだし負担は少ないだろう。

しかも、救急車の音も頻繁には聞こえないので、かづきちにもいいかもしれない。

さらに、かづきち母やくましゃん両親が援助に来やすくなる。

 

F先生は、初め引っ越しはよくないと考えていたようですが、二人の病状や療養環境、家族のサポートを考えた上で、引っ越しにOKを出してくださいました。

 

こうして、かづきちとくましゃんは引っ越しの準備を始めるのでした。

 

しかし、やはりうつ病患者の引っ越しは一筋縄ではいきません。

 

次回、引越し or 入院?

番外編→60.5 私が実家で療養しない理由

 

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