【diary62】Dr.かづきちの闘病日誌【引越しor入院?家族の理解】
前回→引越し計画を練ろう!
62 引越しor入院?家族の理解
前回、引っ越しを決意し、プランを立て動き出したかづきちとくましゃん。しかし、病人2人の引っ越しが一筋縄で行くわけがありません。
いよいよ引っ越し準備を始めることになった11月末。
くましゃんは、K先生との意思疎通ミス事件、通称「3ヶ月」事件の影響で、メンタル不調の症状が深刻になっていました。
メンタル不調の症状は、事件があった直後から悪くなるというより、少し落ち着いた頃や時間がたった頃に悪くなることがしばしばあります。
そのため、くましゃんも事件から1、2週間たった頃に症状がひどくなってきたのでした。
薬は調整しているものの、日中に全く動けない日もあります。
それでも、くましゃんは環境を変えるべく「絶対に引っ越すんだ」と固く心に決めていました。
そして、少しずつ、ゆっくりゆっくり荷物を詰めていきました。
一方のかづきちは、くましゃんの分まで手続きの電話をかけ、手続きの書類を出しました。
二人は精神疲労がピークになると、頓服薬を飲んでベッドの上でダウンしました。
なんとか、頓服薬で誤魔化しているものの、引越しまでの1ヶ月の間、くましゃんの症状は何度も悪化しました。
そんなくましゃんを見ながら、かづきちは思いました。
「本当に引越しはできるのだろうか?くましゃんは大丈夫なのか?」
かづきち本人ももちろんキツかったですが、くましゃんはもっときつそうでした。
箱詰めが終盤に差し掛かるにつれ、ベッドで休んでいる時間も増えて、放心状態になる時間も増えていきました。
かづきちはふと、引越しを決めた時のF先生の言葉を思い出しました。
「引越しはエネルギーを使う。もしかしたら、症状が悪くなるかもしれない。だから気をつけて。」
今のくましゃんを見ると、箱詰めはなんとか乗り越えられそう。
しかし、引越し当日は家族、引越し屋さんなど、他人とのコミュニケーションが求められる。きっと、とても精神疲労がたまるだろう。
このままだと、引越し後にエネルギーが枯渇し、くましゃんが大変なことになるのではないか?
もし引っ越しのせいで急に状態が悪化して、家で療養できないくらいになってしまったらどうしよう…。
ずっと放心したままで、ベッドから起き上がってくれなくなってしまったら、どうしよう。
かづきちはどんどん心配になっていきました。
そこで、再度F先生に相談…。
「引越しの負担で明らかにくましゃんの状態が悪くなっているのですが、入院とかも検討した方がいいでしょうか?」
するとF先生は「そうですね。もし何かあればすぐ入院できるようにしておきますね。何かあればすぐ連絡をください」とかづきちに伝えました。
この後、かづきちは家族にも現状を報告し、引越しと並行でバックアップ体制を整えました。
一方のくましゃんは、薄々入院が必要かもということに気がついていました。ただ、かづきちの腎生検以降、入院にとても抵抗がありました。
F先生はそんなくましゃんの抵抗を減らすために、「きつくなったらホテル感覚で入院してもいいのですよ」と笑顔で伝えました。
こうして、F先生、家族、かづきちとくましゃんの全員が、入院のリスクを覚悟した上で引越し準備は進みました。