【diary66】Dr.かづきちの闘病日誌【復職当日~出勤~】
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66 復職当日~出勤~
前回、引越しの裏側で、進んでいたかづきちの復職計画。K先生の内科で復職することになりました。
今回は、その復職当日のお話。
その日は寒く曇っていました。
かづきちの心ももちろん曇っていました。
復職する喜びはあるものの、不安で不安で仕方がありません。
突然動けなくなったらどうしよう、仕事ができなかったらどうしようとか、いろいろ不安が押し寄せてきます。
フラッシュバックで苦しんだことや、うつの症状で辛かったことが思い出され不安はつのります。
こんな、私でも大丈夫なんだろうか…?
なかなか、玄関から一歩踏み出せませんでした。
ようやく、玄関から出て、歩いて駅に向かうも、動悸が止まりません。
駅に着くと、たくさんの人がいて、怖くなりました。
何だか、大勢の人に責められている気がするのです。(このときくましゃんもこういう気持ちだったのかなと思いました。)
それでも何とか、ぎゅうぎゅうづめの電車に乗り、無事自分の車に乗車。
自分の車に乗ったとき心底安心しました。
ここまで、これた…。
病気になってから今まで、通院以外はほぼ家に篭りきりだったため、ここまで移動できただけでも感動しました。
そして覚悟を決めて病院まで運転しました。
運転はスムーズでブランクをあまり感じませんでした。
運転操作よりも、何よりも問題だったのは動悸です。
運転中、病院が近くにつれ、冷や汗と動悸がひどくなるのです。
病院の駐車場に車を止めた時は、動悸がピークに達していました。
とても車から降りられる状況にありません。
目の前の病院という建物を見るのが何よりも辛かったのです。
特に自分がいた病室の窓が何故か鮮明に浮き上がって見えたのです。
そのときのかづきちは、全身の筋肉に力が入り、肩が上がっていました。
冬にもかかわらず、背中は冷や汗でビッチョリ濡れました。
病院の建物を見ると苦しくなるので、車の運転席で下を向いて必死に動悸抑えようとしていました。
自分が息を吸う音が大きく聞こえました。
時折、駐車場に新しい車が入ってきて、職員が降りて行きました。
その音が聞こえるたびに、自分が知っている人だったらどうしようとか、こんな格好を見られたら辛いと何度も何度も思いました。
「これは耐えられない」
仕方なく頓服薬を飲みました。
少し経つと動悸も減り落ち着きました。
そしてゆっくりと車から降り、職場に向かい始めました。
カバンは石のように重く、全身に鉛がついているかのようでした。
ただ出勤するだけなのに、一分一秒が私にとって地獄でした。
次回→研修医室に入ったら…。
※本当は出勤して研修医室に入るまでを書きたかったのですが、出勤だけでとても大変だったことを伝えたく、気がつけば病院到着までしかかけませんでした。