【diary72】Dr.かづきちの闘病日誌【やってきましたフラッシュバック】
前回→長い1日の終わりに…
72 やってきましたフラッシュバック
前回、やっとのことで家まで帰り着いたかづきち。
家に帰るや否や、ベッドの上で目を開けたまま動かなくなってしまいました。
そんなかづきちを待ち受けていたのは、一ヶ月ぶりにやってきたアイツでした。
目を開けたまま動けなくなったかづきち。
くましゃんがちょっと目を離したすきに事件が起きました。
音がしたので、くましゃんがベッドまで様子を見に行くと、ベッドの上でかづきちが叫び出し、錯乱状態。
ジタバタ暴れているではありませんか!
なんと、一ヶ月以上起こしていなかったフラッシュバックを起こしてしまったのです。
PTSDの症状が再燃した瞬間でした。

フラッシュバック出現中のかづきち
かづきちは入院中のことを思い出し、「もうやめてくれ」とか「痛い!痛い!」、「助けて!!!」と叫びながらジタバタしていました。
錯乱と言うよりも、苦しすぎて耐え切れない状態と言うほうが適切かもしれません。
くましゃんは、暴れるかづきちに何とか薬を飲ませ、寝かしつけました。
かづきち本人は、そのとき自分がどんな状態だったかわかりません。
覚えていることは「怖かった」、「とても苦しかった」という信じられないほどの恐怖です。
他にも注射や尿路カテーテルなど痛みを伴う記憶、血尿が出たときの風景が感覚とともに押し寄せてきたことも覚えています。
それらの「恐怖」に、もがきながら抗おうとしたところまでで、かづきちの記憶は途切れています。
くましゃんは、こんなかづきちを見ながら、入院中のことを思い出し胸が痛くなりました。
何度も何度も、かづきちの元主治医のことを思い出し、腹が立ちました。
いや「腹が立った」とかいう、言葉ではもう表せないくらい辛い、いたたまれない気持ちでいっぱいでした。
このフラッシュバックは、かづきちが復職し、病院(職場かつ医療事故現場)に戻ってしまったせいでしょう。
病院はかづきちにとって職場でもあると同時に、入院中を思い出す「地獄の空間」になっていたのです。
こうして、かづきちの復職1日目は最悪の形で終わりをむかえました。
これを書いていて思うのですが…書くのが非常に辛いですね。思い出すだけで、背筋が凍りそうですし、フラッシュバックをまた起こしたらどうしようと言う気持ちになります。
でも知って欲しい…医療事故がどれだけの恐怖を人に与え、不適切な対応がどれだけ心をズタズタに切り裂くのか皆さんに知って欲しい。